三塁側を見てから投球
村上投手はランナーがいないときは、サインを確認後、一旦、バッター側ではなく三塁側を見て投球に入ります。ニューヨーク・メッツと5年契約を結び、2023年シーズンからMLBの「マウンド」に立つ千賀滉大投手も同様です。
千賀投手はMLB1年目となる2023年シーズンに12勝を挙げ、防御率も「リーグ」2位の2・97、奪三振も投球回数の166 1/3イニングに対して、202奪三振(9イニング換算で10・9個)も奪うという素晴らしい成績を収めています。
三塁側に顔を向けることは、体の前への突っ込みを防ぐことに寄与します。投球前のピッチャーの両肩を結ぶ「ライン」は、当たり前のことですが、ホームベース側に投球しやすいように、「ピッチャープレート」に対して垂直方向に静置したポジションにあります。そのように、ホームベースに向かって投げるという体勢の中で、肩とつながっている顔だけを投げようとする方向と90度異なる方向に意識を含めて向けることで、投球に「ロック」を掛けることができます。
「ロック」を掛ける目的は、体が前に突っ込まないようにすることです。「ロック」を掛けることによって、右ピッチャーであれば、左足となりますが、左足を上げても体は前に突っ込まない体勢を「キープ」することができます。
村上投手の場合、三塁側を見て、左足を上げて、その後にホームベース方向に顔を戻して投球動作を続けていきますが、できるだけ体が前に行かないように、上げた左足を更に段をつけて、2段モーション的に後ろに回します。その後に、前に体重移動してボールの「リリース」に入っていきます。体が前に行かない工夫を入れていますが、「投球モーション」自体は「オーソドックス」なものであると言えます。
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