その風采には威厳があり、口数は少ないが声音は優しかった
そこで私たちは、開けた、陽のよく当たる、
高台の一隅に引き下がった
そこからは周囲を一望できた
丁度真向かいの、艶やかな緑の芝生の園に、
偉人たちが次々と現れ、
それを見た私は体が熱くなるのを覚えた
〝角栄〟が大勢のお供を率いていたが、
その中で〝金丸〟※4や〝竹下〟は見覚えがあった
甲冑に身を固めた〝梶山〟※5は、鷹のように目を光らせていた
別の所には〝大久保〟や〝西郷〟がいた
〝龍馬〟が妻〝おりょう〟※6と
座っているのが見えた
寺を焼き払った〝信長〟も、
〝秀吉〟や〝家康〟や〝謙信〟や〝信玄〟そして
皆から離れて一人きりの〝光秀〟も見えた
それから目を少し上げると、
哲学家系に座を占める、
知恵者たちの師〝アリストテレス〟が見えた