【前回記事を読む】“洗礼を受けていない”というただそれだけの理由で、罪なき者が堕とされた場所とは
第四歌
先生がおもむろに口火を切った、
「他の三人の前に立って、王者のように手に剣を持って、進んでくる人を見よ、あれが詩人の王、本物のホメロスじゃ、次に来るのが、嫌味の詩人ホラフキウス※1
オウィディウス※2が三番目で、最後が独特の匂いヌカクサ※3だ
先程、老詩人と名を呼ぶのが聞こえたが、
おどれら全員爺やんけ!と思いながらも、
詩人としてのわしに、敬意を示してくれてありがとう」
爺たちの詩は古臭くて何を言っているのかさっぱりわからないが、
その詩の王者が率いる一門が、
一同に介した老人会を私は目撃した
五人は年寄りらしく大声で談笑していたが、
私の方を向くと丁寧に会釈した
先生もそこでにっこり笑った
そして私にとって身に余る光栄だが、
この老人たちの第六の詩人として、
私を招き入れてくれた
こうして私たちは光の差す方へと歩く
その間の話題はそのときは面白かったが、
今となっては何も思い出せない
私たちはとある高貴な城の前に来た
高い城壁が七重に取り巻き周囲を守りながら
美しい小川が流れているその川を私たちは渡った
七つの門を詩人と共にくぐり、
緑爽やかな野原に到着した
そこには悠然とした厳かな眼差しの人たちがいた