【前回の記事を読む】「兄貴夫婦にも親になってもらう。この子は親が4人いるんだ、幸せものだ!」子どもが出来ない私たち夫婦はその言葉を聞いて…

第三章 新しい家族

二日後、お昼過ぎ、幸也さんから電話、

「丈にぃ、ジョーが生まれたよ。香もジョーも元気だ。夕方、来て」

「ありがとう! 香子と行くから」

「香子、ジョーが生まれたよ。香ちゃんも元気だ!」と丈哉さんから連絡があった。ホッとした。病院で待ち合わせ。

「幸也、香ちゃん、おめでとう!」ホッとしている二人。

三千五百グラムの大きな赤ちゃんだ。二人で、新生児室へ。

「おおー、ジョーがいた。外の子と比べても、大きいな。でも……猿みたいだなぁ。可愛いとは言えないなぁ」と言っている。

「産まれたての赤ちゃんは、みんなそうよ。ほら、お隣の赤ちゃんもそうでしょう?」

「ジョーは、でかいなぁ」

嬉しそう。三十分も見ていても飽きない。幸也さんが呼びに来た。

「遅いよ。父さん達も来た……よ、来ているし」

それから、また、三十分見ていた。愛おしそうに、見ている丈哉さん。あくびをしたり、口をすぼめたり、飽きない仕草。可愛いなぁ。ようやく、部屋に戻った。香ちゃん、元気そうだ。私の作ったおはぎを三個も食べている。

「ああ~、お姉さんのおはぎは最高。美味しかった。幸也さん、食べないでね」と言っている。

「僕も、食べたいよ。一個だけちょうだい」と食べている。