【前回の記事を読む】「大変!大変!赤ちゃんが産まれたの。早く来て!」朝起きると、そこには白色と茶色の赤ちゃん子犬が…!

第三章 新しい家族

丈哉さんの会社。

「専務、いいですか」と声をかけてきた部下の杉田。

「どうした?」

「奥様にピザとパスタを教えてほしいと伝えてください。第四土曜日はどうですか、と聞いてください」

「どうしてだ?」

「先日、会社案内した時、お料理だったらいつでもお教えしますよ、とおっしゃっていました。この間、高木のおはぎを一個、無理やり頂いたんです。それがお店で買うおはぎより美味しかったんです」

「妻のおはぎは、天下一品だよ」

「だから、きっとお料理がお上手でしょう」

「ああ、なんでも旨い」

「決まり。第四土曜日の午前十時頃行きます、とお伝えください。それでは」と行ってしまった。

「あっ、乗せられてしまった。大事な土曜日なのに。杉田にはかなわないなぁ。だけど、杉田は何故、僕の事怖くないんだろう。不思議だな」

高木、

「専務、この間、頂いたおはぎを大事にゆっくり食べていたのに、杉田が側からきて取られてしまいました。悲しかったです」

「アハハハハ。今度、作ってくれと頼んでみるよ」

「お願いします! 今度は家で食べよう」

「そんなに美味しかったかい?」

「それはそれは、美味しかったです」