赤ちゃんと同じ感じで、新しく脳に教え込んでいく。不思議と足に関しては、希望を持っていた。車椅子から立てるまで、どれだけかかるか分からなくても……

その頃、ある日エレベーター前で、同じ階に入院されている女性から、

「私も3か月前は、あなたと同じ感じだったのよ」

と声を掛けられた。その方は、杖で歩かれていた。

「え? 本当ですか?」

と聞くと、

「そうよ、リハビリでここまで回復したの。だから、あなたも治るわよ!」

と言ってくださった。その時、嬉しさ半分、本当かな、という疑い半分の気持ちになった。

でも、その女性の優しい微笑みに元気をいただいたのは確かだった。

次回更新は9月26日(金)、21時の予定です。

 

👉『アイアムカタマヒ[注目連載ピックアップ]』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】店を畳むという噂に足を運ぶと、「抱いて」と柔らかい体が絡んできて…

【注目記事】忌引きの理由は自殺だとは言えなかった…行方不明から1週間、父の体を発見した漁船は、父の故郷に近い地域の船だった。