第二章 今まで生きてありつるは 〈『御書(一一六五頁)』〉
一 「結婚生活」の苦しみの一つの要因となった「アルコール依存症問題」
以下、読書メモから
アルコール依存症は、厳密に言えば、薬物としてのアルコール乱用が、根本的かつ核心的問題で、「薬物」としてのアルコールに身体的に依存していることを言いますが、「酒を飲む」結果として繰り返しトラブルを起こしても、なお飲み続けるサイクルを何度も繰り返すのです。
その体の依存と、本質は心が不安であり不全感に覆われて常に物足りない状態の心、心のトックリがいつもからっぽなのです。
だから、からっぽのトックリを満たそうとする病的欲求のあらわれであり、心の病気であり、破壊的な死に至る可能性のある進行性の病気で、悪化の一途をたどります。
依存症者とその家族の周りであらわれる実態は、無定見で、行動は予測不能、次第に人格変化も起こります。まさに「家族病」でもあり、その生活は「混沌」という言葉が象徴的でぴったりなのです。振り回される家族たちは、自分の希望はもちろん、失望することすら振り捨て、自分自身の経験も、他の人たちも、誰も信じない、信じられないのです。
本人は「私はアルコール依存症ではない」と誰に対しても否認(注※)します。
現状を維持し、責任は家族全体がひき受け、内密に守っていきます。「支配、恐怖、罪の意識、恥じらいと辱め」の環境の中で発達する病気なのです。