「どういう友達?」

「元彼」

「え?」

「今は単なるセフレ」

真由があっけらかんと言うので、開いた口が塞がらなかった。でも、真由の気が紛れるならと、仕方なく了承した。

一週間後の夕方に遊ぶ事になった。場所は夜の遊園地。ライトアップされていて綺麗だから、と真由が言ったからだ。お客様の南君には長澤さんから連絡をつけてもらって、参加が確定した。そして、まだ顔も知らない真由の元彼……水野翔さんという人も参加が確定。

全く……不倫をしながら、セフレもいるってどういう事?

真由の男性関係に疑問を持ちながらも、敢えて追求はしなかった。面倒な事は避けたいからだ。

そして、一週間後、駅を待ち合わせ場所にして、4人が顔を合わせた。

「よろしく~、真由の友達の亜紀ちゃんだよね? 話は色々と聞いてるよ」

真由の元彼が馴れ馴れしく私の肩を抱いて言う。

「えっとー、亜紀ちゃんは俺が担当なので、むやみに触れないでくれます?」

南君がグイッと私を水野さんから引き剥がし、いきなり頬を擦り寄せてきた。

「ち、ちょっと南君!」

「あはは、亜紀ちゃん、顔が赤いよ~。可愛い~!」

「な……っ」

「亜紀ってば、モテモテだね~。でもぉ、今夜、翔は私のモノだからね。南君、亜紀をよろしくね~」

「うん、任せて~!」

私の存在がスルーされて会話が進んでいく。この真由の気分転換に付き合うのは、よせば良かったと少し後悔する。とにかく、自分の身は自分で守らないといけないと強く思った。