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両思いだけあって、早川達也と橘美春の交際は順調に進んでいた。ただ、達也の仕事が終わるのが遅いため、デートのたびに美春はよく沙也加を誘って喫茶店や居酒屋で時間を調整していた。

「当たるので有名な占い師さんに占ってもらったら、二人の相性はぴったりだって言われたの」

美春は沙也加に嬉しげに言った。

「何それ」

「もう今すぐ結婚しなさいって言うの。そうすれば死ぬまで幸せになれるって」

「のろけちゃって。じゃあ、早く結婚しちゃいなよ」

「だってプロポーズは達也先輩からしてもらわないと」

「恋人同士なのにまだ達也先輩って呼んでるの?」

「うん。他になんて呼んでいいかわからなくて。それより渡君とはどうなの?」

「あっ、うん。別れたよ」

「えっ、なんで?」

「好きな人ができたから別れてくれって。あんなに優柔不断なやつが自分から告白したんだって。バカにするにもほどがあるわ。私、頭にきたからあいつの頬を思いっきり叩いてやったわ。そしたら、泣き出しちゃってさ。泣きたいのはこっちだって」

「そうだったんだ? 残念だったね」

「あんなやつはこっちから願い下げよ」沙也加はグラスのビールを飲み干した。

 

次回更新は8月24日(日)、18時の予定です。

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