私が、アルコール問題で悩むようになった頃、丁度、世間でもアルコールの一気飲みの危険性が社会問題となり、市民運動も盛んになっていました。

特にアメリカでは、企業におけるお酒による問題で損失が発生することに対し目が向けられ、「EAP」という従業員支援プログラムも活発に展開されていました。

AC(アダルト・チルドレン)ということについては、アメリカのクリントン元大統領が、自分は「AC」であるとカミングアウト(自己明示)、世間を驚かせ、大きなうねりが起きました。

そのような風の吹く中で、なぜか、ACのことが巷で取り扱われ、出版や報道がされていました。後で思うと私のために、行動を起こす追い風となったように感じるほどでした。

私が出立を決意した頃、時の一つの社会現象として雨後の竹の子のように、いろいろな情報が流れてきたのです。アルコール依存症・ACの概念・DV(ドメスティック・バイオレンス)・児童虐待・嗜癖行動・働き過ぎなど……。

それらのことが問題意識化され始めていましたが、社会の支援体制はまだまだ不完全だったと思います。後に平成八年頃、街角の交番に名称はうろ覚えですが、「女性の安全相談所」の看板が掲げられるようになりましたが……。

その頃(平成三年~七年頃)の私はどこへ行けばよいのかわからず迷い悩み続けていました。しかし、今、思います。それでよかったのだと……。そのプロセスがあり、初めて自分の手を大地につけ足を踏みしめ起き、立ち上がることができたのですから……。