プロローグ

2014年1月から2018年12月まで、札幌に単身赴任していた。2人の子供は未だ小学生で、毎年夏と冬に北海道に遊びに来ており、夏は主に道東を旅行していた。その時にもう少し滞在したいが、日程や時間の関係でそれが叶わなかった場所が幾つかある。2022年以降、コロナもやや収まってきて、それらの道東の場所を再び1人で訪問する旅が始まる。

[第一章] 道東の秋 2022年10月7日~10月9日

1.サイレントグリーン(神の子池、野付半島ナラワラ) 2022年10月7日

 

2022年10月7日、羽田空港7:05発女満別空港行JAL565で道東へ向かう。自宅の最寄り駅で始発から2本目の電車に乗ったが、東長崎駅で人身事故が発生した為、さしあたり江古田駅までしか運航できないとのアナウンスが入った。

「ヤバイ」と思ったが、練馬で大江戸線に乗り換え、大門・浜松町に出てモノレールに乗れば、当初の羽田空港到着予定時間より10分程度の遅れで着けることがアプリの検索で分かり、ホッとする。向側の座席に座っている学生と思われるラクロスの選手も必死にスマホを操作している。

平日(金曜日)ながら、翌土曜日から3連休ということもあり、飛行機は満席で、コロナ感染防止で抑え込まれていた旅行需要が回復しつつあることを実感させる。

女満別は東京から見て千歳より更に200km程度北東に位置し、飛行機に乗っている時間も10分程度長いだけなのだが、羽田―新千歳間のフライトに体が慣れているせいか「なかなか着かない」と感じてしまう。

かくしてようやく女満別空港に到着。気温は東京より5℃くらい低いだろうか。空港の化粧室でジーンズをコロンビアの体温を反射する素材の防寒用のボトムに、アウターもウインドブレイカーからモンベルのダウンジャケットに着替え、準備万端で出発。