【前回の記事を読む】大手管理会社が大規模修繕工事の元請化を狙っている理由は、利益率の高い修繕工事の売上増を図る戦略
はじめに
まして、一括管理方式で管理会社にマンション管理業務を丸投げしていた管理組合は突然の解除通告を受けて右往左往します。驚天動地と言うか青天の霹靂と表現すべきか、今までの安逸な眠りを揺り起こされた思いです。
そして新しい管理会社を探し、原因究明を行わないまま同じ事を繰り返します。また、それをビジネスチャンスと捉えリプレースに積極的に取り組むマンション管理士も多いとの噂も聞こえてきます。
そのような環境が悪化する中で本書を発刊する目的は管理組合自立化への道標ですが私でさえ目的地に辿り着く海図さえ書けていません。
読者の皆さんと一緒になってマンション管理の目的や仕組み等を探しに行きましょう。

滋賀県野洲市の管理不全マンションの写真
マンション管理士 増永久仁郎
作画担当 村上 真理
第一章 マンション管理の用語と管理組合運営のトリセツ
1 マンション管理の定義
マンションには賃貸マンションと分譲マンションがありますが、賃貸マンション管理とは言いますが分譲マンション管理とは言いません。従ってマンション管理とは分譲マンションの管理を指している事が理解できます。
ところで賃貸マンション管理と(分譲)マンション管理は同じ「管理」と言う言葉を使用していますが両者の違いはあるのでしょうか?
前者はマンションの所有者が賃貸管理業者に賃貸管理を委託する事、後者は区分所有者の団体である管理組合が管理を自ら行う事(これを自主管理と呼びます)です。
しかし殆どの管理組合は管理会社に業務を委託(委託管理)しているのが現状です。