そんな感想を持った真由子は、3人はトリプルレイであると言われたのを流星とカオルにもLINEで伝えていた。

10月最終の日曜日、真由子が横浜駅に到着し、中央改札口を出るとカオルが既に待っていてくれた。ネイビーのコートにベージュのパンツ、生成りのシンプルニット。カオルは、品よくキレイめなコーディネートをしていた。

真由子もネイビーのニットに花柄スカートを組み合わせたワンピースを着ていて、打ち合わせていないのに、色味がバッチリ揃ったのだった。

11時を数分過ぎて流星から真由子にLINE通話が掛かってきた。

『ヤホ! 横浜駅に着いたんだけど、中央改札口じゃない所に出ちゃったから、今からそっち向かうね』

ほどなくして流星が、真由子とカオルの前に現れた。10月の下旬だというのに流星の格好はお決まりの黒パンツの下は足首丸見えで、履いてないかに見える短い靴下に黒革靴スタイル。黒ジャケットは薄手で完全に夏物。

インナーはグレーのボーダーTシャツ。元はお洒落だったと思うけど、首元がよれていて、くたびれまくった雰囲気。

(野良犬みたい……。カオルくんがキレイ目だから、比較するとキツイかも。もしかして夜通し飲んでオール明けで来た?)

流星の変な格好、野良犬スタイルにテンションが下がった真由子は思わず流星に声をかけた。

「なんかさー、流星くんの格好、真夏みたいなんだけど……」

少し文句を言う口調の真由子の様子を瞬時に感じ取ったカオルが、横からすかさず口を挟んだ。

「いやー、流星くんは顔が素敵だから、服装なんて何着てても、顔でカバー出来ちゃうよー!」ニコニコと満面の笑顔で、ナイスフォローをした。さすがトリプルレイのカオルだ。

3人は横浜駅西口からタクシーに乗り込んで目的のみなとみらい遊園地に向かう。タクシーを降りる時カオルが言った。

「タクシー代は、オレがもう精算したから大丈夫だよ」

いつのまにかカオルは、タクシー代の精算を素早く終えていた。本当に気が利くシゴデキ(仕事が出来るの略)セラピストだ。

今日の横浜は、気分も上がる最高の秋晴れだった。流星、カオル、真由子の3人で目的の大観覧車に乗る列に並んだ。動画と写真で、流星とカオルのツーショットを自分の携帯に次々と撮って収める真由子。

新宿から来た流星と横浜のカオルは、今日が初対面とは思えない和気あいあいとした雰囲気だった。その様子はまるで昔からの親友のようだ。

次回更新は7月9日(水)、18時の予定です。

 

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