「嫌だ! 本当に悪いと思っている! 別れたくない」
「止めて! 前回もそうだったけど何時か起きると心のどこかで怯えていた。あなたは正直だから、嘘はつけないから言ってくれてありがとう」
美樹は何を言っている? 頭が真っ白になった。部屋を出て行った。
「美樹、すまない! 二度としない。お願いだ。別れたくない」
「もう、あなたの側にいたくない! 二度と私に触らないで。愛せない。好きな女性と付き合えばいい。私を気にしないで!」
「何を言っている。違うんだ。美樹じゃないとダメなんだ」
「おかしいよ。浮気をしたんでしょう。止めて! 信じられないから」
泣いている。わぁぁぁぁー、どうすればいい!
夕方、部屋が暗くなっても美樹は電気も点けないでソファーに座っている。電気を点けたら、嗚咽で泣いている。
「美樹……」
「話しかけないで!」
びっくりした。急に立って、シャワーを浴びに行った。泣き声が聞こえた。こんなに辛い思いをさせた。
長いシャワーから出て来て、
「来週には、家を出て行く。アパートを探して離婚届をもらってくる。あなたもそのつもりで」
「嫌だ! 書かないからな!」
「あなたが招いた事よ。自分勝手だよ。責任を持って! 二度と辛い思いをさせないと誓ったはずよ」続けて、
「あなたに抱かれたくない! その女性を抱いた手で触られたくない! 汚い! 酷い人ね!」
「待って、よく話し合おう!」