誰でも愛している相手には自分と同じように、もしくは自分以上に愛してもらいたいし、より良く生きてほしいと思うものです。しかしなかなかうまくいかないことも多いようです。

私は、愛情もとても大切だと思いますが、同じように友情にも重きを置いています。また現代の若い世代である学生も、愛情ではなく友情にとても大きな重きを置く風潮(ふうちょう)があると思います。友達をたくさん作りたい、友達に認めてほしい、友達が少なくて悩んでいるという声をよく耳にします。

友情を感じられる友達を作るのに大切なことは、まず相手を尊重することではないでしょうか。

友達との関係で独占欲を出したり、自己中心的な態度をしていては友情を感じられる関係は作れません。もちろん愛情についても同じことが言えます。

自分に感情があるように、相手にも感情があるのです。それを自分が支配しようとすれば、相手が良く思わないのは当然です。お互いが、相手の感情や人格を尊重して、初めて愛情や友情がうまく保たれるのだと思います。

私が友情にも重きを置いているのは、友情の場合は、相手を尊重しないと関係が長続きしないからです。その分、自分の言動に責任を持つことになるし、相手も自分のことを冷静かつ客観的に見て接してくれます。また、愛情や友情を向けられる相手が多いことが、良いとは必ずしも思いません。

友達がたくさんいるのは良いことですが、十人のちょっとした友達がいるよりも一人の親友がいた方が、はるかに頼りになるし貴重な存在です。ただ、愛情や友情を向けられる相手が一人しかいないのも危険な気がします。この場合、その一人に依存し過ぎたり、その一人を失った時の悲しみが大きいからです。

そうならないためにも、いくつかに分散させて、愛情や友情を持っていられる方が、一般的に元気で幸せな生活を送ることができると思います。

さらに最近の人は愛情を強く求めたり、友情に大きな期待や要求をする人も多い気がします。そしてそれがうまくいかなかった時に、反動として大きく失望したり、怒りに変わることがあります。元気で幸せな生活からはどんどん遠ざかってしまいます。