また旅行に行く時にも上に住んでいる私たちに頼まず、住み込みのお手伝いさんを雇って母親の世話を頼んでから行っていました。

つまり母親の介護と自分の自由を両立させていたのです。つまり、子供には一切迷惑をかけずに生きようとしたわけです。

父親は母親が亡くなった時には、「医者は3年以内に死ぬと言いやがったが、7年も生きたぞ、この野郎!」と珍しく独り言を言っていました。

普通の男性は奥さんが死ぬとショックと家事が何もできないので、その後平均3年くらいで亡くなるといわれていますが、父親はその後も亡くなるまで一人で暮らし、10年以上長生きをしました。それも好きなことをやりながらです。

今考えると逆に好きなことを死ぬまでやったから長生きしたのかもしれません。

最後まで子供に頼りたいという姿勢はまったく感じられなかったし、言われたこともあ りませんでした。

私にとっては高齢の父親で、心配なこともあったのですが、本人は死ぬまで自立した一人の人間として好きなように生きたいのだとだんだんと私も気づいてきました。そのためこちらも言われないことは一切しないようにしました。

親の介護のために子がすることばかりが強調されますが、実は必要以上に干渉しないことも同じように大事なことだとわかったのです。そうすれば親との間の不必要な軋轢を避けることができ、親の幸福度が増すのです。

 

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