第五章 高山家のサプライズ
いよいよ土曜日挨拶に行く日、ちょっと緊張している。
「美樹、行くよ」
「は~い」
高山家に着いた。凄く大きな、立派な家だ。お父様は、不動産業をなさっているそうだ。儲かっているんだろうな。
「いらっしゃい。美樹さんね。涼真の母です」
優しそうなお母様。
「初めまして。美樹と申します。よろしくお願いいたします」
リビングに案内された。
「いらっしゃい。美樹さん」
お父様だ。あれ、お父様、若いような気がする。
「美樹さん、よろしく。年を気にしていたと聞いています。気になりますよね。でも、私達、妻が十歳年上なのですよ。とても幸せですよ」
そうなんだ!
「美樹さん、涼真の兄です。妻の彩香です。うちも、十一歳年上女房です。祖父夫婦も十歳年上です。涼真、良かったね」
「ありがとう。最高に幸せだよ」
食事の用意がされていて、豪華なお料理。
「お母様が準備されたんですか?」
「ええ、彩香さんとね」
「わぁー、お母様、お姉様、凄く美味しそう。早く、食べたいです」
何故か気持ちが軽い。素直になれる。
「美樹は食いしん坊だからね」
「はい、食いしん坊です」
「素直だな、美樹。アハハハハ」
「美樹さん、涼真とおいくつ違うの?」
「……九つです」
「やったー、美樹さんに勝った!」とお母様が言った。
私は涙ぐみ、続けてお母様が、
「あら、ごめんなさい。彩香さんに負けてしまったから、意地悪しちゃったかしら?」