【前回の記事を読む】「二か月前からあなたを見ていました」――49歳独身女性がバーで若い男性と出会い…年下×中年の物語が始まる!
第一章 カッサカサの女課長と若いお友達
「どこかに行くの?」
涼真君、ズッコケている。
「恋人として本気で、お付き合いの申込です」
びっくりして枝豆をカウンターの中に飛ばしてしまった。
「あら、マスターごめんなさい!」
マスターが笑っている。
深呼吸をして、
「……涼真君、あなたおいくつ?」
「四十です」
「私は来年五十歳よ。分かる? こんなに年上だよ」
「分かっています。あなたが好きです」
「遊びならお付き合いできるけど、本気はダメよ」
「どうしてですか」
「涼真君だったら、いくらでも素敵な女性がいるでしょう。何でこんなおばさんと……冗談でしょう」
「僕は、美樹さんが好きです。それがいけないんですか」
「分かっていないな。女が十歳年上って事が!」