そのうち、「〇〇が故障したらしく動かないのですが?」とか「長らく押し入れの隅に大事に仕舞っておいたら箱の中のクッション材がボロボロになり模型の塗装にくっついて剥げてしまった。塗装を元に戻せませんか?」、「親の形見なので久しぶりに取り出したら動きません。修復できませんか?」、「メーカーに修理依頼したら『もう5年経過しているので部品在庫がなく修理できません』とのことなので直せませんか?」、「海外製なので国内代理店では直せず部品もありません。修復できませんか?」、「うっかり落としてしまって動くものの塗装が剥がれてしまった、車体が変形、あるいは折れてしまった。メーカーでは断られて補修部品も分売されていないので何とか直せませんか?」などの問い合わせをいただきました。

筆者は、50年以上楽しくいろいろなゲージの模型に携わっていた、ということもあって何とかできないかということで、まずは部品代だけ頂戴してトライしてみよう、と10数年前より通常勤務のない休みの土・日中心で修理活動を始めてみました。

初めての依頼者は海外勤務だった方で、当時の東欧圏で購入した12mmゲージの蒸機機関車で珍しい工法で組立てられた形式だったこともあり尚更模型魂が突き動かされ、慣れないマニュアル・言語に悪戦苦闘、冷や汗をかきながらもどうにか修復できました。依頼者の方から喜んでいただけたことをよく覚えています。

それからHPを見たとメールを通して、または電話で少しずつ修理依頼が増えてきました。当然うまくいくことばかりではありませんでした。

それでもいろいろと市販部品のないものも創意工夫あるいは流用して代替部品を作ったり、当方の専門分野である電子部品を交換したりして走行できる・点灯する状態に復帰させることができることが多くなり、楽しみ・生き甲斐を感じられるライフワークに結びついてきたところです。

その一方、電球が切れた、走り方がギクシャクする、とか、部品が外れた、少し塗装が剥がれた、など自分で直せたならもっと鉄道模型を楽しめるのに、という方も多くいらっしゃると思います。