そんな中、例のマッサージ店をスマホで検索してみると、都内にはいくつかあった。その中で真由子は以前、民放の深夜番組で紹介されていた「パラダイスアロマ」という店に一番、惹きつけられ、連絡をしてみる事にした。

「パラダイスアロマ」店の公式のホームページには、約10数名のイケメンセラピストの宣材写真が載っていた。真由子はそれを見て、本当にイケメン揃いだと驚いた。

そしてよく写真を見ると、1人とても真由子好みのルックスをしたセラピストを見つけた。

花川流星とそのセラピスト名は記されていた。

(見た目も名前もカッコいいなぁ……でもこれって源氏名なのかな)

真由子は、キラキラネームがぴったりのカッコ可愛い花川流星の写真に目が釘付けになった。

年齢が多少気にはなったが、自分は選ぶ側のお客様、向こうはこっちの年齢や見た目は気にしないだろうと楽観的に考え、お店で一番若くて好みのイケメンくんを指名しようと決めた。

花川流星の紹介文には、カッコ良さとアイドルみたいな可愛さを備えたイケメン君です。容姿だけでなく知的でハイスペックな一面もあります。と記されており、ますます真由子の興味を誘うものだった。

真由子は少しドキドキしながら「パラダイスアロマ」に電話をかけた。

「はい、パラダイスアロマでございます」

「もしもし、初めてで、予約したいのですが」

「有難うございます。どのセラピストを指名なさいますか?」

「花川流星くんでお願いします。今日の午後15時に」

「はい、花川流星セラピストですね、大丈夫です。お店の場所は大丈夫そうですか?」

「はい、何とかスマホで確認しながら行ってみます」

「それでは予約時間までに気をつけてお越しください。もし分かりにくかったら、また電話してくださいね」

「はい、有難うございます」

こうして、意外にも予約はあっさりと取れた。真由子はかなり久しぶりに都心に向かう電車に乗った。天気も良く東海道線の電車から見える海もキラキラとして、何かこれから起こる素敵な事を予感させるようだった。

 

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