受験戦争もなければ、いじめの心配もなく、先生や大人と対等に近い関係で話し合ったりできる学校環境や、また親が大きな関心を払って地域の学校運営に協力する姿を見ると、アメリカの教育には底力があると思います。
個性教育が大事と言いながら、個性をつぶす教育をしがちな日本の教育事情を考えると、息子達がここで大切な時期を過ごせるのは、何よりの財産になると確信しています。
話は少し逸れますが。
サンフランシスコ郊外のラフィエットに住むようになってまもなく、息子達2人を連れて、ハッピーバレーと呼ばれている、近くの小高い所にある高級住宅街を訪れたことがあります。私の運転も未熟なので、学校の友達が住んでいる近所探検もこの辺までです。大きくて個性的で素敵な家を見るのは何とも夢があり、楽しいものです。
ハッピーバレーで探検中のある日、鍵を付けたまま車のドアをバタンと閉めてしまいました。「シマッター!」携帯電話なんかありません。どうしたらいいのかと私はパニック状態です。
目の前の家をノックして、事情を説明したら、針金の洋服ハンガーを手渡されました。これで、ほんの少し開いたガラスの窓から、そのハンガーでドアロックをこじ開けてみたらと言うのです。
長男は、パニック状態の私を横目に、根気よく、辛抱強く、何度も何度もこじ開けにトライしてくれました。ずいぶん時間はかかりましたが、ドアロックが外れて、ドアが開くようになった時は、涙が出るほど嬉しく、ホッとしました。
その時の、長男の困難に立ち向かう様子、粘り強く頑張っている様子を見て、これからの生活もきっと実り多いものになるに違いない、と思いました。頼もしく、頼りになる長男を改めて見直しました。
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