PCR検査は簡単に鼻粘膜を擦って得られた検体で、ウィルスの有無を検査できるようになった。問題はウィルスの発生源である。こうもり説が有力であるが、一方で、中国の武漢ウィルス研究所に保存してあったウィルスが、外部に漏れた説がある。
これらのウィルスはこうもりから採取したものである。これがいくつかの中間宿主を経ていると考えられ、中国の食料品売り場にも疑いがかけられている。ウィルスの起源の真相はまだ解明されていない。
日本では、2020年1月3日の武漢滞在中に発熱があり、1月6日に帰国した日本人が、初めはインフルエンザ陰性で自宅療養していたものの、症状の悪化で受診、胸部レントゲンで肺炎所見が確認された。改善しないので、医師は疑いを持ち、管轄保健所へ報告、その行政検査で、確定診断に達した。
これが日本の新型コロナの第一例であり、WHOへ報告した。家族も多く感染した。これを契機として、日本全国に感染者が発生した。その後は何回ものオーバーシュートを繰り返した。これを見ると、武漢説は否定できないが、ウィルスの発生源はこうもりであろうか。
新型コロナは日本だけでなく、世界全体が分断の社会を作った。社会の最小集団である家でも、壁が作られた。我々が経験した多くの壁は、次第になくなる方向にはあるが、油断はできない。外国からの入国の壁もなくなりつつあるが、将来、再び、壁に苦しめられる可能性は否定できない。
自分の中にある壁
難しい問題だが、壁をどのようにとらえるかで説明は違ってくる。対人関係で自分が疎外されているなら、その人との間に壁があると言えるだろう。私が相手との間に壁を作ったかどうかを反省してみても、私には誰かを拒否した記憶がない。
私の長い人生で、壁を作られたことは、何回かは思い出せる。一つは大学医局で、ある人から嫌われて、私のすることを、認めなかったりした。その方は周りや、私がまだ始めたばかりの専門分野はすべて理解できている、という態度であった。
そして自分が最も正しく、他人の言うことは馬鹿な発言としていた。私は、その時に心の中で、この人とは同じ土俵には決して上がらないと、自分に言い聞かせた。彼には優れた面が多かった。咎められるのは私で、すべてを受け入れている私を不甲斐なく思ったのであろう。馬鹿者に見られていただけである。
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