そんな彼女は非正規労働者 今の派遣先が六社目になる

本当は早く正社員になって 安定した生活を送りたいと願っている

でも そんな彼女の経歴を心配する人は 一昔に比べて随分(ずいぶん)と減った

むしろ この国の大臣や経営者たちは

パートタイマーやギグワーカーなどの有期雇用をもっと増やすべきだと主張している

「一人一人のニーズに合わせて フレキシブルに 様々な働き方を選択できることが

人生を豊かにし 社会に活力をうむ」のだと

でも 実際は 望んで選択したわけじゃなく 仕方なく選択させられただけ

「多様な働き方」というスローガンを都合良く利用して

自分の不安定な雇用形態を正当化させられている 上手に言いくるめられている

そんな気がしてならない

 

そんな彼女の性格は 真面目で繊細ではあるものの

押しが弱く 変化を恐れるところが難点

自信のない振る舞いが目立ち クラスにいたら いじめられそうなタイプだ

でも そんな彼女の性格を問題視する人は 一昔に比べて随分(ずいぶん)と減った

むしろ 強みになると肯定する人々も増えた

「様々な性格や立場 価値観をもった社員のいる方が

新しい発想やアイデアが生まれやすい

あなたらしいやり方で組織に貢献すればよい」のだと

でも ビジネスとは そんな甘い世界じゃない

熾烈(しれつ)な販売競争を勝ち抜くために 

跋扈(ばっこ)する曲者(くせもの)達と 日々渡り合っていかなくてはならない

精神的にタフで 気の強い方が向いていることくらい誰だって分かるのに

「多様な個性」という言葉に甘えて 

自分の性格を変える必要性から目を背けている

このままいけば 彼女を待っているのは 貧困の果ての孤独死だろう

これも不幸ではないと 「多様な死に方」があっていいのだと

彼女に言い張るつもりなのか? 

 

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