「柚子、蓮が非協力的なんだ。何とか言ってやってくれ!」
困り顔で颯太が言ってくる。
「できるかよ。あんなこと! 俺は建築担当のはずだぞ」
蓮も負けじと言い張る。
「どうしたの。時間も一週間切っているんだから、仲間割れしない!」
「俺に女の格好しろとそれもピチピチタイツ履いて。そんなことできねぇーできるかってんだ!」
「長身で細身の稲前照子は、蓮が適任なんだ。顔もイケメンだから、化粧したら照子の冷たい鋭さも出せて最高に集客すると思うんだ」
言い切る颯太に、なおも蓮が怒りたけって叫ぶ、
「パネルでいいだろう。他のゴッツイキャラはパネルなんだから。やったら俺一人恥さらしだ!」
「なるほど。そういうことね」
何度も頷く柚子は、はたと考え込むが何かを思いついたらしく明るい顔で言い放つ、
「颯太。運動部のガタイのいいの選んで連れて行ってコスプレして。蓮! 他の人もするんだから観念して頑張って」
「えーっそれでも俺は女役だよー、やだよー」
「文句言わなーい。それよりも、あんた建築担当でもあるんだから、ちょっと未来的な建物も考えてよ」
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