第一章 学園祭は決戦の場

詩と大和ペアの報告で偵察の状況は出揃ったので、柚子があとを引き取った。

「よし説明で大まかにはわかったけど、一応、あとで映像見よう。さっ、怒っていても始まらないから、ともかく学校帰ろう」

学校に着くと、学園祭実行委員会の部屋に充てられている、一階備品大部屋に集まる。

「まず、あっちの高校のホームページの広報から、学園祭実行委員の顔と名前を見てみよう。さっきは突然話し掛けてきた眼鏡くんしか覚えていないから」

柚子がパソコンを操作する。

ホームページにはあの眼鏡くん、名前は柘植正巳。生徒会長もやっているんだ。他の実行委員も全て生徒会役員だった。男子は他に小林悠人(ゆうと)、山口太一郎(たいちろう)。女子は橋本碧(みどり)、田中さくら、伊藤杏奈(あんな)と顔付で紹介されていた。

うーん。みんな頭良さそー。

「そうだ、撮ってきた写真見せて」

「はい、はーい、これこれ何かすごく大きな展示物だったよなぁー蓮」

颯太は思い返しながらスマホを渡す。

「何これ? これ地球なの? 環境破壊されていない。原始地球ってことなのかなぁ」

考えながら柚子が言えばそれを受けて陽が言い放つ。

「プレートテクトニクスにおいて硬い岩盤が互いに動くことで大陸移動した結果過去に存在したと考えられている超大陸だけど。ちょっとさかのぼり過ぎじゃないのかなぁ」

「プレート何とかって、聞いたことあるけど、何だったっけ」

「プレート理論とも言い、岩盤プレートが互いに動くことで、大陸移動が引き起こされるということよ」