第一章 学園祭は決戦の場

「建築物好きなの」

陽が聞くと嬉しそうに話し出す連、

「おぅよ。建築家の須藤龫雄氏の作品や古くは村野藤吾氏の作品なんか好きだな」

「全然知りませんけど」

柚子がそう言うと。

「村野藤吾はまだしも、須藤龫雄の名前は聞いたことあるだろう! 大阪にある、本の函森下之里っていう図書館なんて開放感があるうえ、こどもの目線に本が置いてあり、おまけに何処ででも本が読めるようにスペースが取ってあるんだ。とにかく須藤龫雄の作品は素晴らしい」

「ああそうですか。よし話戻すよ! 漫画で行くとして、東棟は歴史関係の漫画。それだけじゃ面白みに欠けるから、詩、刀剣狂喜詳しいみたいだから、裁縫部と演劇部に連絡。衣装を揃えて演技してもらう要請お願い」

「そして大和。歴史漫画に詳しいみたいだから、美術部に等身大の有名武将の絵を描いてもらって。ちょっと肉付けして立体感出したのでお願い。あと、説明文は大文字で簡略的に尚且つ押しどころは見やすく。さっき言っていたように視覚に訴えるわけだからね」

柚子は取り急ぎ思い付いたことを全て指示する。

「えーと。東で昔を扱ったから。西棟は現在、若(も)しくは未来よね」

「それなら、環境にも少し触れる『巨大ロボットG』とか『新世紀E』或いはエリアスなんかで疾走感とダイナミックさを出しながら曲を流して乗らせるってのは、どうよ」