「俺この手のアニメ好きなんだ。柚子お前ERのRealize聴いてたよな。あれ流そうぜ。未来に向けて何ができるか(気付かせるRealize)どうこれ! いーいんじゃない?」

自信アリアリで言う颯太をいなし、

「ふぅーん。じゃ建築大好きの蓮と近未来アニメ好きの颯太で、西棟は引っ張って。演劇部美術部には東棟の半分を回すようにして。アニメ好きコスプレ好きは校内放送で説明アンド応援要請。実践力のある人を募集すると強調すること。そしてその他大勢は実行部指揮により、一、二学年を三つに分け、各部署の応援と雑務処理。三年生に関しては、傍観者的な応援であり学園祭を楽しんでもらう当てにならない人と思って下さい。

それで、えぇ私と陽は中央棟での模擬店づくりを頑張ります。貴檣高校の模擬店はずいぶんエコに気を遣っていましたが、うちは昨年と同様にします。まっ、ゆったりとした感じは昨年よりも出したいと思っています。それから人気だったメイドカフェ他もやります。何か意見ありますか?」

柚子たち実行委員はまず校内放送で募集した人と演劇部・美術部・裁縫部を除く生徒全員を講堂に集め、三つのグループに分けた。それから、それを東棟、西棟、中央棟に振り分けて、それぞれグループで草案作りをしてほしいとお願いした。さらに、三つの持ち場の中からそれぞれ会計委員を決め、算出した必要な物品諸々の列挙及びプラスアルファ的な資金の上乗せ額を各部署代表に渡す。

グループごとに買い出しを終えて、いざ実際に作業を始めてみると武将好き・刀剣狂喜好きの女子が多くいて、東棟を手伝いたいと言う。柚子は西棟と男女を入れ替えることにした。

こうしてやる気がある生徒が集まったおかげで、東棟には刀剣狂喜の単体キャラだけでなく武将隊まで作り込んだり、槍や薙刀を持った武将のパネルを設置する。持ち込みの衣装で着飾るなど結構みんな大乗り気で作業している。様子を見に来た柚子も順調に準備が進んでいるので満足している模様。

西棟は颯太いち押しの近未来アニメで統一。『巨大ロボットG』と『新世紀E』はディスプレイとして設置されている。できるだけデカく作ってと実行委員会で美術部の方に要請しておいたが。これは押し出しの迫力があるなかなかにすごいものができた。思わず柚子も「うちの美術部はやるねぇ!」と称賛を口にした。

中心は『地球寒冷気団防衛隊EPDF』。ヒロインの稲前照子を全面に、地球の未来の環境と全宇宙的な防衛を描くということらしい。