エッセイ 小説 絵本・漫画 絵本 動物 現代社会 人気連載ピックアップ 2025.02.27 「この子がそばにいたらくさくて吐き気がして具合悪くなっちゃう」ママはもうさわってくれなかった。そして、わたしは返品された。 【前回記事を読む】「トイレちゃんとできるようになるまでそこから出さないでね!」わたしはケージに戻された。ママに何度もたたかれたおしりが痛い。 次回更新は2月28日(金)、18時の予定です。 【イチオシ記事】あの人は私を磔にして喜んでいた。私もそれをされて喜んでいた。初めて体を滅茶苦茶にされたときのように、体の奥底がさっきよりも熱くなった。 【注目記事】3ヶ月前に失踪した女性は死後数日経っていた――いつ殺害され、いつこの場所に遺棄されたのか?
小説 『約束のアンブレラ』 【第3回】 由野 寿和 なぜこの場所にいたのか…ずぶ濡れだった少女の靴についた泥の一部は乾きかけていた 「遺体は三十代半ばの女性。薬指には婚約指輪だ。三ヶ月前の九月三十日に失踪した久原真波(くはらまなみ)に酷似している」「にしても失踪届が親族から出されたのは三ヶ月も前です。遺体の腐敗は進んでいるのではありませんか?」「理由は三つある。あの傾斜は地面から二メートル近い場所にあった。地中深くに埋めることで微生物などの影響を軽減し腐敗が遅れた。そして低温環境だ。冬という季節に加えて、この藤山は高山地帯と…
小説 『約束のアンブレラ』 【第19回】 由野 寿和 犯人が事もあろうか共に捜査をしていた警察官だった…パトカーを見送るなり、その場に膝をついて頭を下げた 降り頻る雨は増すばかりだ。全員の足元は水たまりで溢れ、一人一人の声を聞き取ることもやっとの状態だ。空には雷が鳴り響き、ごろごろと轟いていた。「揉み合ううちに久原さんは死亡したということですか。どうやって久原真波は蔵から出たのですか? 確かに入り口の南京錠は人為的に壊されていました。工具や何かを自宅から持ち出した山本雫がやったというのか」逼迫した状況の中で深瀬が言葉を投げた。「あの時は、そんなこと…