エッセイ 小説 絵本・漫画 絵本 動物 現代社会 人気連載ピックアップ 2025.03.01 よく吠えて、噛みつくから。目が覚めると、血が止まらなかった方の目と、歯がなくなっていた。そして声を出せなくなっていた。 繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ] 【最終回】 珠生 満ちる 「華ちゃん」という名前で呼ばれるまでの物語 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 日本中、世界中にたくさんの動物の命がある。厳しい環境で命を奪われてしまう動物もいれば、とても恵まれた環境で命を全うする動物もいる。そんな命の差をどうすべきなのか。動物の命について考えるきっかけになる、華ちゃんのおはなし。※本記事は、珠生満ちる氏の書籍『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 【前回記事を読む】「売れ残り」の他の犬たちと一緒に小さな檻へ入れられた。さわられてさわがれて。にんげんがとても怖くて、とてもきらいになった。 繁殖犬になった華ちゃんのおはなし
小説 『信長様と猿』 【第5回】 ヤマダ ハジメ 内通者をあえて泳がせる――書簡を何通か並べた信長は、笑いながら藤吉郎に問うた。「猿、この書状、どれが本物かわかるか?…」 儂は、草履取りの雑用係から日頃の忠義と実績が認められ武士の足軽に取り立てられた後、桶狭間の合戦に於いては、足軽組頭として出陣していたな。その頃の信長様との会話を想い出すとこんな秘話があったわ。「殿、桶狭間の戦ですが、拙者も組頭として参加しておりました。勝てる相手とは思えないほど兵の差がありもうした。確か今川勢1万2000に対し織田勢はわずか3000あまり。どうして勝てたのか、未だにわかりません。…
エッセイ 『大人の恋愛ピックアップ』 【第228回】 山口 ゆり子 玄関内の惨状が、警官の顔を歪ませた。ネグリジェ姿の妻は、震える声で「夫が大きな怪我をして…今すぐ救急車を呼んでください」 【前回記事を読む】左足に刺さっていたのは、意外な物だった。それは新築祝いの靴ベラのスタンドで、血溜まりはすぐに結構な大きさになった。郁子が春彦に歩み寄り、素足のまま廊下の上がり框から玄関へと降りてきた。その視線は春彦の肩の先にある何かを忙しなく追っているようだった。軽やかに揺れる白いネグリジェが床に触れた途端に血溜まりを吸い上げていく様は、まるで何かの実験を見ているようだった。重く下がり始めた視…