第1章  夫婦の問題

(9)夫婦生活を脅かす心身のストレス

▼ストレスのない生活習慣が夫婦円満の条件

ストレスのない生活習慣こそが人生100年を健やかに生きる術であり、夫婦円満を支える絶対条件なのは明らかです。さらに大切なことは、ストレスによって生じる諸悪の根源の活性酸素を取り除くことです。その活性酸素を除去できる作用を抗酸化作用と呼び、そうした作用を有する物質を抗酸化物質と言います。

もちろん、ストレスの全くない日常生活などありません。何らかのストレスの中で常に活性酸素が生み出されています。このため、悪しき生活習慣を改善することに加えて、普段より抗酸化物質を摂り、抗酸化作用を高めるようなことを心がける必要があるのです。

体内には初めから抗酸化物質が数多く存在しています。その中で最も強く、最も多量に存在している抗酸化物質が女性ホルモンのエストロゲンです。

実は、同じ病気でも男女で発症率や悪くなる度合いに違いがあります。このため、診断と治療方法の両方に男女の違いを考慮した医療が必要で、これを性差医療と呼んでいます。特に私は、肝臓の病気が女性に少ない理由として、女性が主にエストロゲンによって守られている事実を科学的に証明し、提唱してきました。

実際には、肝臓だけにとどまらず、活性酸素が関わる肥満、高血圧、糖尿病などや肝臓を含む多くのがんなどの生活習慣病から、女性を守っています。ただし、エストロゲンそのものが男性ホルモンのテストステロンからも作られていますから、テストステロンにも抗酸化作用があります。

エストロゲンに近い物質が多く含まれるのが、味噌・豆腐・納豆などの大豆製品、ブドウ、アボガド、リンゴなどの果物、赤ワイン、コーヒー、禄茶などがあります。その他野菜、玄米などやビタミン類にも抗酸化作用があります。抗酸化作用を高める方法や抗酸化物質については後であらためて述べたいと思います。

ポイント
悪しき生活習慣も含めた心身のストレスが、過剰の活性酸素を生み出します。個人に苛立ちや不信感を抱かせ、無関心や無気力にさせて、夫婦間のコミュニケーションやセックスの機会を失わせてしまいます。
ストレスのある生活習慣を改善し、抗酸化物質の摂取と抗酸化作用を高めることが夫婦円満の条件です。男性の皆様、食べ過ぎ、運動不足、飲み過ぎ、喫煙、夜更かしなどのストレスが、結局は、最も身近な奥様との間に、最も望まない心身の溝を作り出すことを認識してください。

 

【前回の記事を読む】ストレスに弱いのは男性?女性? 心身のストレスと生活習慣病の男女差について

次回更新は1月19日(日)、20時の予定です。

 

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