僕の大学デビュー天下取り物語

きちんと整理された満里奈の部屋。白いベットの側には乱雑に脱ぎ捨てられた服や下着。

若く美しい満里奈の綺麗な体に、腹の出たキツネ目オヤジの下品な体がのしかかっている。汗ばんでいる二人の体。避妊もせず、欲望のままオヤジは腰を振り続ける。

満里奈は狂おしそうな吐息を漏らしながら、それを受け入れる。好きだから。信じているから。この人が欲しいのはきっと私の体だけじゃない。

オヤジの上に跨り、オヤジを喜ばすために満里奈も必死で腰を振る。ダンスで鍛えた腰使いにオヤジも唸る。

さっきまでダンスを教えていた十七歳の綺麗な教え子が一糸纏わぬ姿で乱れてる姿に、達成感と背徳感を感じてオヤジの顔は醜く歪む。

いよいよ絶頂を迎えそうになったオヤジは満里奈をまた寝かせると、さらにスピードを上げて腰を振る。

今オヤジの頭には妻も子供の姿もない。ただ、興奮して快楽に身を任せるだけだ。

満里奈もオヤジの首元に手を回す。満里奈の整った胸を鷲掴みにして、汚い口元で満里奈の唇に貪りつきながら、オヤジはそのまま中で果てた……。

満里奈の話を聞いたあのときから、僕には絶え間なく心が引き裂かれるような妄想が襲ってくるようになった。

大学で講義を受けているときも、バイトしているときも、満里奈と一緒にいるときも、セックスをしているときも。

ふとした瞬間に、あのキツネ目オヤジ(DaiGoのウィッシュポーズをしている姿)がフラッシュバックのように脳裏に浮かんできて、それを引き金にさきほどのえげつない妄想が襲ってくる。

いつの間にか僕の妄想の中では、キツネ目オヤジは避妊もせずに乱雑に満里奈を抱いていた。

満里奈とキツネ目オヤジがどういう付き合い方をしていたかは知らないし、そのオヤジの気持ちは当事者じゃないため分からないが、ほとんど家でしか会わなかったという事実も、満里奈がただ単純に性のはけ口として使われていたこともあり得ると思わせてしまうのだ。

「秘密の関係だから誰かに見られる外で会うわけにはいかなかっただけだ、満里奈だってある程度は大事に扱われていたはずだ」と、自分に言い聞かせてその妄想を打ち消そうとするが、奥さんと別れる気もなく他の教え子にも手を出していたキツネ目オヤジにとって、やっぱり満里奈は「遊び」だったんだろうなとも思う。

そしてそうだとしたら、この吐き気がする妄想もあり得たであろう事実なのだ(さすがに中で出したりはしてないだろうが)。とにかく僕はなんか、もう、おかしくなっていた。

自分でももうその自覚もあった。満里奈のことを大切に思えば思うほど、満里奈の過去が具体的なイメージとなって形を帯び、僕の心を切り裂いてくるのだ。

そのときの僕は、金髪坊主へのリベンジのことも考えられないほど会ったこともないそのキツネ目オヤジに怒りを向けていた。

とにかく、とにかく、そのオヤジが憎かった。ボクシングでキツネ目オヤジの顔に見立てたサンドバックを殴り、家に帰ると満里奈が夕食を作って待っていてくれた。

満里奈とはもうお互いの家の合鍵を渡していたので、突然家に満里奈がいても別に驚かなかった。