はじめに

本著の構成について

前著でも「ピッチングフォーム」、「バッティングフォーム」の構築の話をしました。前著でもお話ししましたが、「フォーム」において使える技術はピッチャーの方がバッターに比べて多彩です。

その一つの理由は、ピッチャーが投球時にスペースを活用できるのに対して、バッターはバッターボックスの中で勝負しなければならないためであると言えます。

バッターボックスから足を外に踏み出してスイングしてはいけませんし、ピッチャーが高いところから投げる角度のあるボールをアッパースイングしたいと思っても、低めにきたボールを打とうとすると地面が邪魔になります。空間的な制約が多いと言えます。

本著ではまず、プロ野球のピッチャーが有する傑出した技術を「ピッチングフォーム」に着目して紹介させていただいた後に、ピッチャーに対してバッターがどのように対峙していくのか、バッター側からの技術を、こちらも「バッティングフォーム」に着目して説明していきます。

またバッターにおいては、過去の名選手の「バッティングフォーム」にも注目して、現役選手の「バッティングフォーム」への活かされ方を含めて説明していきます。

構成としては、「ピッチャー編」、「バッター編 1」、「レジェンドバッター編」「バッター編 2」の4部構成として、筆者の「フォーム」に関する考察について話させていただきます。最後までお付き合い願います。

それでは、まず「ピッチャー編」からスタートします。