第二章 調査1、調査2、お手本は自衛隊
それから三日後、里村から娘が会ってみたいと言っていると連絡があり、行きがかり上須崎が二人の見合いをセッティングする事になった。
須崎はパソコンで都内のお見合いスポットを検索し、結婚式場を併設し、御自慢の庭園を有する文京区の〇山壮ホテルを見合いの席に選んだ。
須崎は見合いのプランを打ち合わせる為、幸村を呼び出した。予めホテルから貰っておいたパンフレットを見せながら
「君さえよければ、このホテルの企画、レストランのライトアップされた庭園を見下ろしながらのフランス料理のコースか中華料理のコースがいいと思うぞ、ちょっと値は張るけど?」と須崎が薦めると
「あの、それ中華じゃまずいですか? フォークとナイフだと食べた気がしなくて……」と言ってきたので
「構わんさ。どっちにせよ金払うのはお前さんだからお前さんの好きにすればいい」と言ってあげた。
そして、この後、須崎が「帰りはしっかり家まで送り届けろ。両親の心証が良くなるから……」等きめ細かくアドバイスした。
大筋の話がまとまったところで、須崎が予め里村から聞いていた娘さんの都合のいい日と時間をすり合わせた上でその場から幸村がホテルに予約を入れた。
お見合い当日は、二人を知る須崎だけが二人を引き合わせた後、二人でディナータイムを過ごす事を決め、ホテルでの待ち合わせを一七時四五分に設定した。
当日は幸村がロビーで待ち、そこへ須崎が里村麗子を案内する事にした。幸村が当日は一〇万円くらいの現金を用意すればいいかと言ってきたので須崎は念には念を入れ一五万くらいを財布に入れとけと忠告しておいた。
同様に宿題の様な課題に挑む事になった桜田は、業務の空き時間を利用して、法務省のホームページ等で女性刑務官の実態について入念に調べ上げていった。その結果、女子刑務所は日本全国に九か所ほどで収容者に空きがない状態であった。