02 冒険を思い立ったきっかけ
筆者は前述の通り、メンバーとして参集した方々に第1回目のミーティング時に次のような経緯を説明した。
「一昨年(2018年)の春、私の医療分野の大先輩で北海道の病院の経営管理者を長く務められた方が、70歳を過ぎてリタイヤをされました。
その際、彼の住まい(静岡県三島市)への帰り方が、私の人生終活イベントの計画立案にヒントを与えてくれ、大きな道筋を示してくれました。
彼は、ご自身の所有するヨットで、北海道のホームポートを出港後、日本海へ針路をとり、本州の背部を舐めるように南下して、そして九州を回り瀬戸内海を通って沼津港まで廻航するという、まさに人生の終活大航海を数ヶ月間かけて安全かつ壮烈にやり遂げられました。
この快挙に感動した私は、我が人生にもマイルストーンとして生きた証しを印すべきだと考え、『気力、体力、知力を使い果たす前に壮大な終活イベント』を実行したいと思い立ち、そして決心に至りました。何をもって終活イベントとするかを種々考えた結果、モーターホームによる北米大陸冒険行に帰結したというわけです。
しかし、計画の実行には、多くの賛同者を必要とすることから、知人の新聞記者にお願いをして決意を記事にしてもらった、という次第です」 というようなわけで、当初は壮大な大法螺を噴き上げた感じだった。
しかし新聞を読んで集まってくれた人たちと2年間という時間をかけて紡ぎだした計画によって、人生最後の大法螺が綿密な旅行計画に仕上がっていった。