はじめに

「セールスイネーブルメント」がどうしてここまで人気になったのか?

2019年、セールスイネーブルメント業界では職種に「セールスイネーブルメント」とつく人の数が1万人を超えた(ポール・クライェフスキが継続して行っているリンクトインでの肩書調査による。

彼が作成したグラフによると、過去数年においてセールスイネーブルメント職種に就いた人の数は急増している)。つまり、セールスイネーブルメントはついに「注目の的」となったのだ(少なくとも一部の業界においては)。

まるで、何年もコツコツと何かを作り続けてきた人々の人気が突然沸騰し、「一夜にして成功した」と言われるようになる現象を彷彿とさせる。

ところで、セールスイネーブルメントとは何を意味するのだろう。本質的には効果的に営業チームをサポートする方法にまつわる役割(または部署)、役職、増え続ける知識体系である。

面白いことに、「セールスイネーブルメント」という言葉こそ使わなかったものの、私は何年にもわたりこの仕事に携わってきた。そして、同じ道のりを辿ってきた初期のセールスイネーブルメント実践者を何人も知っている。少なくとも1991年には、私は次のような仕事をしていた。

・  メッセージ、コンテンツ、キャンペーン、プロモーションに関してマーケティング部門と協業する

・  人事や給与を管轄するリーダーと連携して、給与制度やインセンティブが望ましい営業の行動および成果を生んでいることを確認する

・(多くの場合企業のトレーニングリーダーと組んで)トレーニングを設計、実行する。これには新入社員の育成時間を短縮し、生産性を改善する営業のオンボーディングプログラムの構築も含まれる