「殺意を抱いている人から避けて生活をしたいってことだね」ライトは理解してくれた。ステファニーにも危険が及んでいる状況を打破したいため、ライトに力を貸してほしいと助けを求めた。

ステファニーは警察に届けたら保護してくれるよ、と提案したが俺はステフィーが出る幕ではないとばかりに速攻提案を却下した。相手は俺を殺す時、警察の包囲網をくぐり抜けてくるからだ。

「勿論手伝わせてよ。ギルバートのことだから考えがあるのだろうね」ライトは協力を約束してくれた。

俺は、「あぁ、まずここに住んでいるわけにはいかない。引っ越して家ごと身をひそめるんだ」といった。

ライトが毎日協力してきてくれたこともあって体調は予定より早く良くなったことを伝える。引っ越しを終えて落ち着いてから、俺は再び外を歩き回ることになった。毎日家を出ていこうとするとステファニーは止めに入るのだが俺はいうことを聞かないようになっていった。

ステファニーは諦めて「バートが長時間散歩している間、私も外に出ることにしたわ。私が帰ってくる前には家にいて頂戴ね」と約束を交わして外出する自由の権利を手にした。

「これで分かっただろう。カーテンが全開なのはギルバートが平常心を保っていられているのかを時々家からでも確認を出来るからだ。もし、誰かに襲われたりしていたら窓越しで確認も出来るだろ。反対側も見てみろよ、家を囲むようにブロック塀を立てて完全に隔離されている」きっと、俺自身がこの構図を作り出したことだとは思ってもみなかったのだろう。