睡眠薬を断つ決意~痛みに耐える日々
火の夢ばかりで怖くて寝られない日が続いた時には、睡眠薬を処方してもらっていました。薬を飲んでから眠ると全く夢も見ずによく眠れていましたが、ある時、睡眠薬がないと寝られなくなっちゃうんじゃないかと思うと逆に怖くなってきてしまい、早い段階で睡眠薬をやめることを決意しました。
睡眠薬なしで寝ようとすると、最初の頃は全然寝付けなくて大変苦労し、早く寝なきゃと思えば思うほど余計に寝られないものでした。
1回眠れるようになると、徐々に睡眠薬に頼らずに眠れるようになり、そしてついに睡眠薬をやめることができたのです。
意識が戻って間もない頃、たまにお風呂に入れてもらうことがありました。5~6人がかりで担架ごとでっかいバスタブのようなところに入れられていたという気がするのですが、今思うとどういう状況だったんだろうと不思議に思います。
いざお湯に浸かると、皮膚がなくなって骨も見えている状態の箇所もあり、生肉がお湯に浸かっているみたいな感じで……。
傷に染みて、ただ痛いだけな気がしてならなかったですが、感染しないように綺麗に洗浄してくれていたのだと思います。
救急救命科の先生に「好きな食べ物なんだった?」と聞かれた時があり、私がとっさに「エビか鰻が食べたい」と答えると、「エビか鰻か〜」と笑われました。好きな食べ物を聞かれたのに食べたいとまで言ってしまって、きっと変わった人だなと思われたのでは、と今思えばとても恥ずかしいです。
お風呂に入った記念か、処置を頑張ったご褒美か忘れてしまいましたが、アイスをご馳走してくれたことがあり、その時の記憶も鮮明に覚えています。
浸出液が大量に出るので、毎日全身を洗い、薬を塗ってガーゼを張り替える処置をしてもらっていました。処置をする前にロキソニンと意識を朦朧とさせる注射を足首の後ろ辺りからするのですが、その注射がもの凄く痛く、痛み止めが効いてきた頃を見計らっての処置をするものの、それでも悶絶するような激痛でした。
ただ動けなくされているだけのような気がしましたが、ひたすら痛みに耐えるのみでした。
顔や背中はもちろん、手の指を洗う時はタワシかブラシのようなもので擦り洗いするのですが、拷問と言ってもいいほどの痛さで、意識が半分飛んでいる状態でも激痛だったのを覚えています。
【前回の記事を読む】全身に負った大やけど。深刻な身体的ダメージだけではなく、幻覚や火事の夢にも苦しめられるように。
次回更新は9月27日(金)、21時の予定です。