Chapter2. 人生が変わってしまった事故
指の壊死~そして切断
ある日、手の指先が真っ黒になってしまっているのを見てしまった時には、火傷で魔女みたいな手になっちゃうんだと驚きました。包帯ぐるぐる巻きの状態でも、自分的には指の関節を動かせている気がしていたので、何らかの手術をすればまた普通に動かすことができると思っていました。
まさか黒くなっているところが壊死しているとは夢にも思わず、数日後に切断しなければならなくなることをまだ私は知りませんでした。
医者から指を切断しなければいけない説明を受けていた夫は、私に話すのに相当悩んでいたと思います。私自身も、先生から説明を受け、ただただ泣いて何も言えずにいました。
そして、両手の指10本とも第1関節から切断することになってしまった……。
自分の手が手じゃなくなっちゃった日
今まで普通にできていたことが急にできなくなるってこんなに辛いんだと痛感し、突然、健常者から障害者になったという事実を受け入れられるわけがなく、この先どうやって生きていけばいいの?と泣き続けた日々。
2016年3月30日、忘れもしない手の壊死している部分を切断する手術の日でした。
自分の手が手じゃなくなっちゃった日でもあります。
手術前日から当日にかけて、そして手術室に歩いて向かう間も、麻酔が効くまでも泣き続けていました。泣いても泣いても涙が枯れることがなくて、この時、一生分泣いた気がします。
手の指を切断って……私の手どうなっちゃうんだろう?とか、切断してもまたちゃんと動かせるようになるのかな?とか思っていましたが、この時点で、手術が終わったらこの先何もできなくなってしまうことを悟っていたのかもしれません。
もうダメだと全てが嫌になって、逃げ出したくもなっていた。
絶望に打ちひしがれていた……。
麻酔も怖くて仕方なくて、心が完全に押し潰されていました。