Chapter2. 人生が変わってしまった事故
リハビリ開始〜歩けるようにまで回復
そして食事ができるようになった時には、自分で食べることができず、看護師さんに食べさせてもらっていました。しかし、カロリーが足りていないと言われて、1日2回栄養補給のゼリーを飲まなくてはなりませんでした。食べることは結構好きな方だったのですが、当時はゼリーですら飲み干すのが苦痛でした。
最初の頃はゼリーを飲み切れませんでしたが、飲み込みのリハビリが始まると全部飲み込めるようになりました。バニラアイスはカロリーが高いからと言って、夫やお父さんが来た時にカロリー摂取の為に食べさせてもらっていたのですが、その時に食べたバニラアイスが特別に美味しく感じて感激したのは忘れられません。
その他にも、夫が免疫力を高める効果があるヨーグルトを毎回食べさせてくれました。免疫を高めたら感染もしなさそうですし、何より私はヨーグルトが好きなので毎日食べられて嬉しかったです。ヨーグルトのお陰があってか、あんまり大きな感染を引き起こすことなく過ごせた気がします。
アイスもヨーグルトも初めのうちは全て食べきれず、自分でもビックリでした。
食べ物を自分で食べることができないもどかしさを感じ、食べさせてもらっていると自分のリズムで食べていないからか、不思議とすぐにお腹いっぱいになりました。
嚥下のリハビリはすぐにクリアできたので、理学療法と作業療法のリハビリが始まりました。理学療法では初めに立ち上がりと歩行の訓練が行われました。自分的にはすぐに歩けるもんだと思っていたのですが、リハビリの初日にベッドの横で立ち上がった瞬間、足の力が抜け、立ちくらみで倒れ込んでしまったのです。
とても悔しい思いをしたので、絶対立てるようになりたいという思いが日に日に増していきました。意欲的に立ち上がりの練習をしていたら立ち上がることができるようになり、ベッドの周りを1周できるようになりました。
ベッドの周りを歩いただけでもこんなにも体力を消耗するんだな〜と感じました。そりゃあずっと寝たきりの生活をしていたら体力も落ちているから仕方ないかとは思っていましたが、体力が落ちすぎていて、正直ビックリでした。
部屋からナースステーションまで歩いてみるなど、何か目標を決めて取り組んでいたら徐々に普通に歩けるようになりました。階段の上り降りも、最初は半分くらいまでしか上ることができませんでしたが、次は一番上まで絶対に諦めないと決めたら気合いで上れるようになったのです。
完璧に階段の上り降りができるようになった時、理学療法士の先生とも一緒に喜んで達成感を感じました。
今度はお散歩をしようと院内を歩くようになってからは、周りからの視線に耐えきれなくなり、部屋に戻っては泣きまくっていたのを思い出します。自分の足でまた歩くことができてよかったと思ってはいましたが、人とすれ違う時やエレベーターで相乗りする時は辛くて苦しい思いで息が詰まりそうになっていました。
でも、手は使えなくなっちゃったけど、足が大丈夫で良かったと思えるようにもなりました。