終わりの見えない治療

私は、上半身の方が火傷の酷い状態でした。当初は左腕も肩から切断になるかもしれないと言われていたそうですが、手術で何とか残してもらうことができました。術後、皮膚の拘縮が酷く、腕を伸ばそうとしてみたら突っ張り感が非常に強くて、誰かに押さえつけられているかのような不思議な感覚でした。

手術を終えてリハビリを頑張れば普通に動かせるようになると思っていましたが、突っ張っているというのはどのような状況から起きていることなのか分からなかったので、なんでこんなに突っ張るのかと先生に聞いたことがあります。

関節の部分にケガや手術をすると、どうしても傷が治ろうとする過程で皮膚の再生が追いつかなくなって、突っ張ったり傷が凸凹したりしやすくなるそうです。説明を聞いてなるほどと思っていたのですが、一度の手術では突っ張り感や凸凹が残る為、何度か手術をしていかないと改善しないんだということに気付きました。

そして、手術を行うたびにリハビリも大切だということを聞きました。同じところを何度も手術しないといけないと分かった時はとても落胆しました。あと何回手術しなきゃいけないんだろう?と終わりの見えない治療に嫌気がさし、絶望を感じていました……。

左肘は真っ直ぐ伸びず、肩関節は拘縮が酷くて肩が上がらない状態でした。更に首の拘縮も酷かったので、最初の頃は上を向くことも難しく、ガラガラうがいもできませんでした。口元が引っ張られていたのでちゃんと口を閉じることができず、飲み物を飲む時はこぼれてしまう為ストローを使って飲んでいました。

【前回の記事を読む】大やけどで真っ黒になった、壊死した指。両手10本とも第1関節から切断することに。

次回更新は9月29日(日)、21時の予定です。

 

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