わたしはスマホをいじり始めた。ラララインで貴輝にメッセージを送る。
【今夜会える?】
まゆ実を追い込むペースが早すぎるかなと思ったが、ここは畳みかけるほうが得策のような気がした。死の恐怖に苛まれている今のうちに。すぐに返信がきた。
【今日は無理】
【どうして?】
【仕事】
仕方ない。
【明日は?】
【明日も無理】
【明後日は?】
【それも無理】
避けられているのだろうか。それとも……。
【いつ会える?】
わたしが打つと同時に【実は明日から出張なんだ。しばらく会えない】と返ってきた。信じてよさそうだ。
【じゃあ、いつ会える?】
しばし間。
【返事、遅くなってもいいか?】
貴輝のコメントに【いいよ。待ってる】と打ち返し、ラララインを閉じた。
これでよし。次はまゆ実が利用しているスタスタグラムのフォロワー数をどうやって減らそうか。彼女が今ハマッているSNSはスタスタグラムだ。フォロワーが急激に減ったらさぞ落ち込むであろう。
現在、少しずつではあるが、亜矢やエリなど、リアルな友達から確実に愛想を尽かされているだけに。
【前回の記事を読む】こなされる会話の中で、ひとり殺意に気が付き、怯える 「わたしはまだ、死にたくない」