第一章 浩、狙われる!
「有難うございます。直ぐ行ってみます」と言ってタクシー乗り場の方へ走って行った。
東京国際病院へ着いて、直ぐ丸田の位置を確かめると病院の中となっていた。
そのまま救急受付へ行き、「先程、救急車で搬送された者の同僚ですが、様子を知りたいので何処へ行けばよいですか?」と聞くと直ぐ、
「三階の救急治療室の方だと思います、救急車で運ばれた方は先ず其処へ連れて行き、病状確認と初期治療を行いますから、左の通路から入って奥のエレベーターで三階へ向かってください、救急治療室のプレートが掛かっています。其処の出入り口で出てくる看護士に聞いてください」
「分かりました、有難うございます」と言って急いで三階の救急治療室へ向かった。
確かに丸田は、直ぐ傍に居る!と位置を確認した。
暫くそばの長椅子に座っているとドアが開き、マスクを付けた医者が疲れた顔をして出て来た。良は直ぐ近寄って頭を下げ、
「今、救急車で連れてこられた者の同僚です、様子は如何でしょうか?」と聞いた。
医者は、怪訝な顔をして、「身内の方ですか?」
と聞いたので、良は直ぐ内ポケットから会社のIDカードを出して見せ、
「同じ会社の同僚です、メールをやり取りしていたら、急に応答が無くなり、電話しても 全く通じないものですから、急いで落ち合う東京駅へ行きました。八重洲口で丁度救急車を見送っている駅員の方に会い、此処を教えて頂きました。大分具合は悪いのでしょうか?」と聞いた。