小説 詩 恋愛 2024.08.27 「詩集」ホロスより三篇 ホロス 【第7回】 rim. 何かひとつでも、あなたの心を軽くするヒントがきっとある――。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 季節のゆるやかな移行とともに、誰しもが経験する様々な感情をのびのびと描いた詩集。※本記事は、rim.氏の書籍『ホロス』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 お別れ 一緒にしないでおくれ 僕と君とを 似た者同士なんて まっぴらごめんさ 僕は僕で 君は君なんだ いいかい もう一度言うよ よぉく聞いておくれ 僕は僕で 君は君なんだ
エッセイ 『迷子 うつと離婚と私』 【第11回】 野沢 りん 救急車で運ばれた夫。間違えて開けた携帯には…「会いたい、愛している」 遠くからお見舞いの人は少ない。お見舞いの人がくると羨ましい。患者は嬉しいのか恥ずかしいのか誇らしいのか赤くなる。ホールの隅のテーブルで手提げ袋を受け取る。私たちは遠くから見るともなく見る。でも気になる。そのうち、一人偵察に行く。「どうやらお菓子のようだ」と報告。洗濯物の時は速やかに解散する。お菓子を頂いてもお見舞いの方が帰ると看護師さんに預けることになっていました。どうしたことか、家族のお見舞い…
小説 『海渡るフォルトゥーナ』 【第15回】 鷹嶋 ちた いまだ、納得する「なり・ころ」の良い茶道具に出会えていない千利休。そこへこんな言葉が...「ではご自分で探されては如何ですか」 宗麟は海外にも広く目を向け、中国への遣明船の派遣、琉球・カンボジア・ポルトガルとの海外貿易も盛んに行った。堺の豪商日比屋了珪(りょうけい)を厚遇しただけでなく、筑前博多の支配権を得たことにより、莫大な利益を上げたのである。弘治三年には本拠地を「府内」(大分市)から、湊と城下町とが一体となった「臼杵(うすき)」に移していた。松栄と宗易は、臼杵の丹生(にう)島新城で宗麟に拝謁した。五年前から築城が始…