エッセイ 書道 詩画集 2024.08.11 「からたちの花が咲いたよ。白い白い花が咲いたよ。」(北原白秋)他…書家による作品集『今を大切に 君の人生だよ』より 今を大切に 君の人生だよ[復刻連載] 【第2回】 青山 珪香 生きた言葉をあなたに届けたい この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 あらたな書芸術を模索しつづける書家からのメッセージ こんな時代だからこそ、ぬくもりのある言葉を――。70年近い書人生のなかで、「だれもが読めて心に響く書のものを」との思いから、多くを自作の文で制作してきた書家による作品集。※本記事は、青山珪香氏の書籍『今を大切に 君の人生だよ』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 今を大切に 君の人生だよ
小説 『約束のアンブレラ』 【第3回】 由野 寿和 なぜこの場所にいたのか…ずぶ濡れだった少女の靴についた泥の一部は乾きかけていた 「遺体は三十代半ばの女性。薬指には婚約指輪だ。三ヶ月前の九月三十日に失踪した久原真波(くはらまなみ)に酷似している」「にしても失踪届が親族から出されたのは三ヶ月も前です。遺体の腐敗は進んでいるのではありませんか?」「理由は三つある。あの傾斜は地面から二メートル近い場所にあった。地中深くに埋めることで微生物などの影響を軽減し腐敗が遅れた。そして低温環境だ。冬という季節に加えて、この藤山は高山地帯と…
小説 『標本室の男』 【第43回】 均埜 権兵衛 机に向かって無闇に煙草を吹かした。何だかもう永久に骸骨には会えないような気がした。 一方渋谷整形外科病院では、明日に控えた難しい手術の打ち合せをしていた。重症の椎間板ヘルニアの手術だった。渋谷医師の診察室ではコンピュータの画面に何枚ものCT画像が展開され、二人の医師は各々の意見を出し合っていた。慎重派の渋谷医師と大胆な伊藤医師とは、そこでも術式に微妙な意見の食違いを見せていた。だが二人はやんわりと衝突しながらも、結局は伊藤医師が院長に譲る形となった。それで一応意見がまとまった。…