俳句・短歌 俳句 コンテスト大賞作品 2024.07.06 句集『バーの二階で』より三句 バーの二階で 【第8回】 田中 龍太 幻冬舎グループ主催 『短歌・俳句コンテスト』大賞受賞作品 日本の四季を彩った、“今”を表現する一冊 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 コロナ禍以降、読書を楽しむ機会が増えた人も多いのではないでしょうか? 本書は、その間に編まれた句集です。※本記事は、田中龍太氏の書籍『バーの二階で』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 春の景 筆勢の 繊維のぬめり 春惜しむ 筆跡の 乱れの果ての 黒揚羽 夏の貌 聖五月 『かもめ』の録画 観てゐたり 【前回の記事を読む】句集『バーの二階で』より三句 【イチオシ記事】東京にいるはずの妻がなぜか金沢で事故死…「妻はどうして金沢にいたのだろうか?」残された不可解な謎 【注目記事】離婚したDV夫に遭遇。なぜいまだに近くに住んでいる? 私たちの家が見えるスーパーになぜわざわざ来る?
エッセイ 『朝陽を待ちわびて』 【第7回】 桜木 光一 「いてくれれば、それだけでいい。いつか一緒にお家に帰ろう」叶わないかも……心の中のつぶやきに涙が流れた 昨夜から痛みとしびれの抑制の薬を強めに処方して頂き、夜中は3時間の睡眠を確保させてあげた。痛みの根源が脊髄か骨盤なのか、判断はまだできないと医師から説明を受けた。痛みの沈静化ができれば、布団の上で座る訓練をさせることができるかもしれない。一縷の望みは簡単には叶わなかった。昨夜20時30分、妻は頭部激痛と高熱に襲われ白目をむいた。声も男性のように太くなり、ベッドに爪を立てひっかいた。まるでオカルト…
小説 『カトリーヌと囁き森』 【第19回】 智佳子 サガン 「ああ、神様、あの書斎にある本を読める日が来ますように」とこの二年間寝る前に呪文のように唱えるのが私の習慣 庭師のアイザック・コワレから言いつかった切花を居間にいた奥様に届けた時のこと。「カトリーヌ、次の仕事の時は髪を束ねていらっしゃいな。もし、リボンを持ってないのだったら、いっそのこと切っちゃったら、どうかしら」奥様のメリンダは思いつきでこんなことをよく私に言う。無邪気な笑顔と声で言う。「奥様、ご主人様がお呼びです。書斎のほうにいらっしゃいます」「ガードルード、ありがとう。すぐ行くわ」リボンは持って…