俳句・短歌 俳句 コンテスト大賞作品 2024.05.19 句集『バーの二階で』より三句 バーの二階で 【第7回】 田中 龍太 幻冬舎グループ主催 『短歌・俳句コンテスト』大賞受賞作品 日本の四季を彩った、“今”を表現する一冊 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 コロナ禍以降、読書を楽しむ機会が増えた人も多いのではないでしょうか? 本書は、その間に編まれた句集です。※本記事は、田中龍太氏の書籍『バーの二階で』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 春の景 日矢受けて 翳り沈ます 花筏 絶食に 肉欲の増す 啄木忌 鳥曇 バーの二階で 読書会 【前回の記事を読む】句集『バーの二階で』より三句 【注目記事】あの日深夜に主人の部屋での出来事があってから気持ちが揺らぎ、つい聞き耳を… 【人気記事】ある日突然の呼び出し。一般社員には生涯縁のない本社人事部に足を踏み入れると…
小説 『曽我兄弟より熱を込めて』 【最終回】 坂口 螢火 用意した死に装束を、我が子に着せる。まだこんなに小さいのに、斬首だなんて…私が身代わりになって死にたい! 青天の霹靂とは、まさにこのこと。聞いた母の驚きは尋常のものではない。「エ――エッ! 何と、何とおっしゃいます!」声さえ別人のごとく裏返って、「厭です! 厭です! 渡しません、断じて……」絶望的な悲鳴を上げ、曽我太郎に取りすがって泣きわめいた。その母の絶叫に驚いて、一萬と箱王が「母上! いかがなさいました」と座敷に駆け込んでくる。「オオ――一萬、箱王」母は無我夢中で二人を左右にかき抱くと、黒髪を振…
小説 『アントライユ』 【第2回】 鈴木 恋奈 彼にピアスが増えたら、私は自分の耳にも印をつけて、ニードルを取り出す…「痛い痛い!」それでも彼とお揃いがよかった 【前回の記事を読む】たしか、彼が冷たくなったのは四年くらい前から――都合の良いセフレだと思っているのだろうか…恋は盲目と言うけれど、実際は恋をしている側の欲目に過ぎないのかもしれない。愛及屋烏(あいきゅうおくう)とは言っても、嫌いなものは嫌いなままだろう。こんな可愛げの無い脳みそになったのは、きっと目の前の男のせいである。一方、彼も愛だの恋だの言うタイプではない。彼が恋愛を語った時は、神様がひっ…