俳句・短歌 俳句 コンテスト大賞作品 2024.11.09 句集『バーの二階で』より三句 バーの二階で 【第10回】 田中 龍太 幻冬舎グループ主催 『短歌・俳句コンテスト』大賞受賞作品 日本の四季を彩った、“今”を表現する一冊 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ コロナ禍以降、読書を楽しむ機会が増えた人も多いのではないでしょうか? 本書は、その間に編まれた句集です。※本記事は、田中龍太氏の書籍『バーの二階で』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 夏の貌 悪戯は まうやめませう 桜桃忌 剃り傷の ある喉仏 青嵐 小ぶりなる 愛餐会の 稲荷寿司 【前回の記事を読む】句集『バーの二階で』より三句 【イチオシ記事】父の通夜に現れなかった妻。自宅階段の手すりに白い紐が結ばれていて… 【注目記事】もしかして妻が不倫?妻の車にGPSを仕掛けたところ、家から20キロも離れた町で、発信機が止まった!
小説 『アイアムハウス』 【新連載】 由野 寿和 静岡県一家三人殺害事件発生。その家はまるで息をするかのように、いや怒っているかのように、大きく立ちはだかり悠然としていた 午前十一時。サイレンを鳴らさず、車両は静岡県藤市十燈荘(じゅっとうそう)に到着した。静岡中央市にある県警本部から十燈荘までは、藤湖をぐるっと大回りして藤市経由でトンネルを通り、小山を登ることになる。藤湖を見下ろす高級住宅街、十燈荘は、土曜の昼だが活気はない。既に外部への交通規制が敷かれているとはいえ、不気味に静まり返っている。ここで殺人事件があったことを、住民達が知っている気配はなかった。その家…
小説 『宮本武蔵と忍びの者』 【第7回】 石崎 翔輝 くノ一は必ず女として男を籠絡する技を身につける。仲のいい娘が、老忍たちを相手に仕込まれる姿を見てきた。 いま薬華庵の小者たちは、甲賀の里の望月家との連絡に当たっていた。太一 (たいち)、十蔵 (じゅうぞう)、初音(はつね)といった十代の半ばを過ぎた歳の甲賀の忍びである。甲賀は、織田信長が本能寺で明智光秀の謀反で落命した後、豊臣秀吉に従ったが、天正十三年(一五八五)に雑賀(さいか)の太田城の水攻めの際、堤工事の不具合を口実に甲賀武士の家は改易処分された。そして秀吉は水口(みなくち)岡山に城を築き、中…