俳句・短歌 俳句 コンテスト大賞作品 2024.09.12 句集『バーの二階で』より三句 バーの二階で 【第9回】 田中 龍太 幻冬舎グループ主催 『短歌・俳句コンテスト』大賞受賞作品 日本の四季を彩った、“今”を表現する一冊 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 コロナ禍以降、読書を楽しむ機会が増えた人も多いのではないでしょうか? 本書は、その間に編まれた句集です。※本記事は、田中龍太氏の書籍『バーの二階で』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 夏の貌 風薫る ロートレックと なる街へ 三人の マギの名忘れ 麦の秋 母の日や 紅茶に浸す マドレーヌ 【前回の記事を読む】句集『バーの二階で』より三句 【イチオシ記事】治療で言葉がうまく出てこない夫。彼が今どう思っているのかを知りたくて… 【注目記事】カプセルホテルで産まれた命。泣き声を止めようと、その喉に…。
小説 『アントライユ』 【第3回】 鈴木 恋奈 彼の父親と私の母が不倫。親族双方殴り合いの大事件になった。だが、彼の母親は「慰謝料は要らないから」とだけ言って姿を消し… 【前回の記事を読む】彼にピアスが増えたら、私は自分の耳にも印をつけて、ニードルを取り出す…「痛い痛い!」それでも彼とお揃いがよかった私たちは新潟県の外れにある小さな町で育った。私は、ボロボロのアパートで生まれた。母親の稼ぎが少なく、泣く泣く住んでいた。幼少期に千春がそのアパートの隣の部屋に引っ越してきたのだ。千春の母親の後ろに隠れる彼の光る涙は私の心を潤した。今でも鮮明に思い出せる。彼の目は女の…
小説 『アントライユ』 【第9回】 鈴木 恋奈 私達の親が死んだ。二人の葬式は酷いものだった――嬉しくて咽び泣いているかのような雨にずぶ濡れになった私と彼は… 【前回の記事を読む】「癌なんだ…5年くらい前から」突然そう打ち明けた彼。混乱する私を前に、彼は腰を抑えて膝から崩れ落ち…二人の葬式は酷いものだった。飲酒運転による事故死。自業自得だと思う。不倫なんてした天罰。死体はグチャグチャで顔も判別がつかなかったから、一緒に弔うことになったらしい。予想はしていたが、親族たちが互いに罵り合い、殴り合いにまで発展した。一番驚いたのは、私のおばあちゃんが千春のおば…