どこの会社でも、社員をリストラする前に、まずアルバイトや派遣を切る。それは宿命なのである。がっかりしたが、沈んでいる暇はない。

すぐに次の仕事を探さなければならなかったが、折しも不景気で、派遣会社からもすぐに次の仕事を紹介できないと言われた。

しずかは、自力で仕事を探そうと、新聞のチラシや駅のスタンドに置いてあるフリーペーパーの求人誌などを毎日チェックしては片っぱしから応募した。だが、どこも数人の募集に対して何十人、へたをすると百人以上が応募しているらしく、書類選考の時点で落とされた。

やはり年齢の壁は厳しく、アルバイトでも若いほうがよいに決まっている。二十代~三十代に比べて四十代後半のしずかは圧倒的に不利だった。

会社名や仕事内容と時給だけでエントリーしてみても、実際に面接に行ってみるとぼろぼろの作業所みたいな場所だったり、雑居ビルの一室で隣は雀荘だったり、みじめになることが多かった。

そして(どうして私がこんなところで働かなきゃならないの)と妙なプライドが働いて、その場でUターンして帰ってきてしまうのだった。面接の相手が不躾な質問をしてきたりすると泣きたくなった。