第三章　選挙戦

「…杉並区長時代のエピソードとしてネット上で評価頂いている事の中に、『荒れない成人式』というのがあります。

区長の祝辞の際、新成人が壇上に上がって取り押さえられたりする報道が、度々テレビで放映されましたが、有難いことに私が区長として、新成人の皆さんに祝辞を述べさせて頂くと会場はシーンと静まり返ってくれました。

『荒れない成人式』をできた事が区長時代の最大の功績かもしれません。そして、武藤先生と一緒になって実現したい政策が自衛隊の国軍への昇格、選挙制度の改革、教育改革です。

どうか私に皆さんの貴重な一票を投じて頂き小選挙区から国会へ送り込んで下さい。何卒宜しくお願い致します」と締めくくって頭を下げた。

武藤の時と同じく聴衆が万雷の拍手を送った。この後東京ブロック比例候補者として先に発表している人事構想案で、拉致担当大臣として党推薦の楯岡剛、拉致担当副大臣を担う事になっている村木冬彦、国土交通副大臣として主に領海問題対応に当たる事になっている佐山明彦氏らが紹介され、マイクを握った不審失踪問題研究所所長村木冬彦は、

「お早うございます。只今ご紹介に与かりました不審失踪者問題研究所所長を務めます村木冬彦です。私は主に不審失踪者問題を調査研究して参りました。その中で我々と警察庁が情報を突き合わせた結果、拉致された事が否定できない事案が未だに八〇〇件以上もあります。

そのうち家族の同意が得られた三百数十件を我々のホームページに掲載して、情報の提供を求め、一件一件寄せられた情報を潰してゆくという地道な作業を日々行って居ります。

そんな中、総理大臣が交代する度に『我が政権の最重要課題』と記者会見では仰いますが、一向に解決のめどが立ちません。私と楯岡剛先生がタッグを組んで取り組めば今までよりはこの問題を進展させる自信があります。

どうか拉致された同胞を一日でも早く家族の許へ返してあげる為に比例区では『日本民主保守党』、武藤先生も仰ったように、面倒なら『ミンホ』と投票用紙に書いて頂けないでしょうか、何卒宜しくお願い致します」と言って頭を下げ聴衆から拍手を浴びた。